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街道自転車通勤・四方山話-1 ★★★★★★★7/10点 2009-05-31

瀬田といえば唐橋とシジミ。羽柴が往来した往時の唐橋は板を籐で結わえた橋であった。橋は隙間だらけ。

シジミ採りの仁兵衛は好んで唐橋の下でシジミを採った。小舟から長い竿の先につけたザルの網を瀬田川の川底をさらうようにして採る。

唐橋は侍も通れば旅人も通る。中でも女が通ると仁兵衛は竿を止め顔を上げて板の隙間を見た。往時のおなごは腰巻きを巻いているだけ。はっきり言うとスッポンポン。橋の下から丸見えなのだ。

若い美人はさすがに湖面の仁兵衛に気がつくと渡るのをためらったが、旅を急ぐ美人はやむなく渡る。仁兵衛の鼻の下は三尺にも伸びる。艶やかな飴色でしっとりと濡れたのもあれば、真っ黒で黒光りもある。勘違いしてはいかんぞ、シジミの話。

仁兵衛の水揚げが矢橋の十兵衛より少ないわけがここにある。

この道は東海道。色気の通う道。

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