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ヘンミ計算尺-4 ★★★★★★★7/10点 2008-10-03


四十五年前の高校生の自分が使っていた計算尺にカーソルを嵌め、忘れかけていた操作を思い出して計算してみた。なんという温かさが伝わってくることか。中 尺が滑る感触。カーソルを合わせる微妙な指の動き。計算結果は線の合わせ方で誤差が出る。その誤差のもつ何ともいえない大らかさ。全体がとても温かい。

そして、四十五年前に同じ操作をしていた自分に対し、今の自分を比べていた。あの頃の目の輝きをもち続けているか。あの頃の喜怒哀楽を失っていないか。歳を重ねて感性は磨り減っていないか。

一本の計算尺が自分自身の糸を、遥か彼方にまで遡る琴線を震わせて、あの頃の自分と今の自分を感じさせてくれた。

物を大切にするってことは、自分自身を大切にすることなんだ。

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