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これがヤフオクで落札したマイクロメータ。\810円で落札。校正しなくてもきっちり精度がでている。新品だとどれくらいするのだろう。使う機会は少ないがこれがないと鋼球の直径など0.01mmは測れない。道具は持っているだけで楽しい。使いこなせばもっと楽しい。


四十年以上使っているノギス。これはよく使います。ノギスは数ミリから二十センチくらいまで0.1mmの計測。

使い込まれた道具は特に美しい。

これは高校入学時に買った計算尺。四十五年前に買ったものを大切に大切にしているかとけん。計算尺全盛期のあと機械式計算機、電気式計算機、電子計算機と時代の変遷を潜り抜けて四十五年間保管しているのは馬鹿か。

いや、私には宝もの。これは当時のままでケースにビニールテープ巻いて本体に名前を彫りこんで、几帳面だったんだ。ところがいくら探してもカーソルが見つからない。カーソルがないと計算尺の役を果たさない。

カーソルのために何度も何度も家捜しをして、また違う古い道具を見つけるかとけん。こんなかとけんダイチュキ。

でもカーソルは何処へいったのだろう。

探し物は何ですか
見つけにくい物ですか
カバンの中も 机の中も
探したけれど 見つからないのに
まだまだ探す気ですか
それより僕と 踊りませんか
夢の中へ 夢の中へ
行ってみたいと 思いませんか
Woo woo woo-- Woo woo woo--
Woo woo woo-- さあ--
45年前に買った計算尺のメーカー「ヘンミ計算尺」は健在でした。早速サイトの質問欄で「四十五年前の機種のカーソルは手に入りますか」と尋ねた。一時間後に「2664S用カーソルの件ですが、本体の在庫はすでに欠品しておりまして、カーソルにつきましても欠品しておりますが倉庫に残っている可能性もございますので、御調べさせて頂きます」という返事。

そして三日後に「確認させて頂きました結果、在庫は残っておりませんでした。互換性のある機種のカーソルはありましたので、そのカーソルで代用することは可能ですが・・価格は¥240円です」

嬉しいじゃないですか。なにが嬉しいかといいますと、魂のある企業が日本に存在していたことですよ。利益利益と目先のことばかり考える企業が多い中、二百 四十円のカーソル在庫を倉庫まで連絡して探し、しかも互換性まで調べてくれてきちんと対応してくれる。本当に立派な企業だと思う。


「先にこちらからカーソルを送らせて頂きますので、同封いたします封筒で、240円分+400円(送料)の切手を、郵送願います」ということで翌日に届いたのです。


ヘンミ計算尺という会社の製品を通して四十五年間の時の流れをひしひしと感じることが出来た。その会社の姿勢から企業とは何かを、しかと学ばせていただきました。

最近にない感動です。

四十五年前の高校生の自分が使っていた計算尺にカーソルを嵌め、忘れかけていた操作を思い出して計算してみた。なんという温かさが伝わってくることか。中 尺が滑る感触。カーソルを合わせる微妙な指の動き。計算結果は線の合わせ方で誤差が出る。その誤差のもつ何ともいえない大らかさ。全体がとても温かい。

そして、四十五年前に同じ操作をしていた自分に対し、今の自分を比べていた。あの頃の目の輝きをもち続けているか。あの頃の喜怒哀楽を失っていないか。歳を重ねて感性は磨り減っていないか。

一本の計算尺が自分自身の糸を、遥か彼方にまで遡る琴線を震わせて、あの頃の自分と今の自分を感じさせてくれた。

物を大切にするってことは、自分自身を大切にすることなんだ。

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