楽創楽夢へ戻る

昨年の秋、会社の隣のガレージに三匹の子猫が捨てられているのをスタッフが見つけた。ダンボールに毛布を入れて食事を与えるようになった。抵抗力のない子猫達は結膜炎にかかって目が開かなくなった。ほっとけなくて、薬局へ行き抗生物質を売ってもらえないか聞いたが駄目。自宅のワンとニャンが行く病院の先生に訳を言って薬を分けてもらった。食べ物に混ぜて与えると三匹とも三日で治った。

冬の寒さが厳しくなる年末に一匹がいなくなった。正月が明けてもう一匹もいなくなった。探したけれど全く痕跡がない。残った一匹は寂しいのか、箱に入ったまま動こうとしない日が続いた。見るに見かねて事務所の中へ入れてやった。

tasmania.jpg 人の出入りがある度に怖がって事務所の外へ出ようとする。しかたがないから寒いけれどドアを少し開けたままにしている。クロと名付けたその猫はなついた。二度のワクチンを打ち、春になったら不妊手術もする。クロも、家で飼っているグーも、捨て猫だ。 可愛い。   

事務所には飼い猫が一匹います。この猫は野良猫の子供の時に可愛そうになって飼いだしたのです。事務所の周りには野良猫が数匹いて、スタッフのひとりが野良猫にも食事を与えていました。私も動物を見ると情がうつって、情けをかけたくなる性分なので、それはあたりまえのことと思っていました。

半月ほど前にビルの管理人が変わりました。その管理人夫婦が猫嫌いで、野良に食事を与えるなと怒鳴り込んできます。何度も怒鳴られたスタッフはこれ以上問題が大きくなって、会社がビルから追い出されたりしたら困るから、野良に食事を与えないようにすると云います。

初日はいつもの時間に裏のドアの前に二匹が並んで、「ニャーーン」と催促をします。もらえないから窓のガラス越しに「ニャーン、ニャーン」とこちらを見て鳴きます。スタッフの彼女をを見たら泣いている。可愛そうです、両方とも。

二日目も、三日目の今朝も同じように鳴きます。両方とも可愛そうで..............。   

連休が明けていつもの仕事に戻った。連休前には元気な顔を見せていた野良猫の姿が見当たらない。いつも朝夕に事務所の裏の路地で私を待っていて、餌をあげると体を擦り寄せてくる可愛い奴。凍える日も、熱帯夜も、たくましく生き抜いてきた野良。

スタッフに聞くと連休の合間に、六軒先の家の前に「猫」と書かれた段ボール箱が置いてあったと言う。

あいつでなきゃ良いのだが。今までも三日ほど顔を見せずに心配かけた奴。
今度も帰っておいで。死んだかって思うと、ぽっかりと心に穴が開き涙ぐむ。

帰っておいで。
  

へ戻る