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加藤建三編 集芸社 定価:\48,000- 立読み禁止

【自序】事典を発行するにあたり、お断りしておかねばならぬ事がある。この事典は私の身近な自転車乗りを分類したものでなく、世に少なからず存在する輩を、精神学、行動学に照らし分類したもので、結果として私の知合いが当てはまる場合もある。事典の内容であるが、該当する自転車乗りが聞いたら笑うこともあり、憤慨する輩もいよう。そのような感情の変化も見受けられようが、多種多様な楽しみ方の違いであって、それが良いとか悪いとかを定義すものではない。いや、多種多様な楽しみ方が他愛のない、自転車のことゆえに楽しいではあるまいか。本日、学会の承認を得たものを掲載する。読者諸君、親族新派を発見されたならば進んで編集局に連絡されたし。しかる発見の積み重ねによって、当事典が世界の自転車乗りの分類学上、揺るぎない地位と名誉を獲得するのも、ひとえに読者の心得にかかっておりまする。

【ハタフリ族コノヤマ派】 発見者不詳
人が集ることに異常な関心と熱意をを示す。特に自分が用意して集ると、とても喜ぶ。たいがい片手しか集らんが、両手でも集ろうものなら、前の晩からリュックにバナナやおやつを入れたり出したり、そわそわ癖は子供そのもの。悪い奴ではないが、集めることしか関心がないから、名簿はポケットに必ず入れるが、自転車を忘れて来たりする。集った人の写真をパチパチ撮りまくる。画質がどうの、構図がどうのとは一切いわない。数撮ることでたくさん人が集ったように、自己錯覚を自動的に発生させている。

【バラバラ族イジリ派】 発見者不詳
ことごとく分解しないと気がすまない人種。たいがい写真を撮って分解能力を誇示する癖がある。自分の自転車だけでは気が済まず、知合いの自転車も子供の三輪車、嫁ののカバンや傘までも餌食にして、分解に失敗したものは縁の下に隠す。こないだなんか、駅のホームで持っていたスパナで機関車をバラシかけよった。連れ歩く女も分解的性行為可能なキャシャな女かと云うと、とんでもない、質実強健、精神頑丈、巨体肉弾、岩盤皮下脂肪なり。連れ歩く女に財布は分解されておるそうな。

【サンタ族ドサブクロ派】 発見者不詳
自転車を、たくさ~ん持つことを好む。自分の寝床がなくなっても買い続ける。買ってから置く場所を考えるような輩が多い。たいがい寝床はツバメの巣くらい小さい。自転車を山ほど持っているから、人に与えれば良いと思うが、絶対はなさない。自転車の数に反して、付き合う女が少ないのがこの輩の特徴。めったに付き合うことがないから、たまに美人に声でもかけられようものなら、顔を真赤にして心臓は高鳴り、すぐさま勃起して漏らしてしまう。声をかけた美人が即座に逃げるから、いつまでたっても縁がない。

【キラキラ族ブランド派】 発見者不詳
ひかり物の自転車を好む。一流品しか買わない。自分の自転車に集る視線の数で、機嫌が良くなったり悪くなったりする。高級車に乗る輩に多く見られ、たいがい連れの女も一流品。時たま例外があってドブスに一流だと騙されて自慢げに連れ歩く奴もいる。避妊具までキンキラキンだったのには驚いたし、それを女に見つめられないと何時までもいかない...?。

【カルガル族ドテドテ派】 発見者不詳
軽いことに異常なほど執着する。あちらで2g軽いと聞けばすぐさま走り、こっちで3g軽いと読めば電話する。尻が軽いわけではないが、財布は軽い。自転車は軽くなるが、体重と口は重くなる。   

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