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ぽっかりと 2

グーパーに出会った18日前は車に引かれそうになっても道の真ん中で動かなかった。羽ばたいても1m。何日か食べていないから弱っていた。

ソファーに寝かせた一晩目が山場だった。少しの砂糖水が元気を回復させた。

あれからの18日は小さな命が生きようとする輝くような力に感動だった。浅い皿に水を張ると誰にも教えてもらわないのに自分で水浴びをした。

腹が減ったら虫籠に寄って虫を見ていた。もりもりと驚くほど食べた。和室の外にツバメの声がすると網戸に留まって大きな声で鳴く。

部屋のなかを飛ぶ時間が徐々に増えていった。尾羽もきれいに延びてきた。まだ体に産毛は残っているしクチバシは黄色いけれど、18日でこれほどまでに育つんだと、その力強さに感動した。

そして大空へ無事に帰れたことを三羽が目の前にいることで確かめた。ものすごい感動です。

毎晩、寝る前に薄暗い部屋でグーパーに挨拶をした。顔を間近に寄せて「今日はおやすみだよ、また明日も元気で遊ぼうね」と声をかけた。グーパーは私の目をしっかりと見て、小さな声で「チイチイチイ」と返事をする。

あの寝る前の気持ちの触れあいは、私とグーパーの宝物のような時間でした。命と命で会話したあの瞬間です。

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